今日のテーブルゲームのある風景は「ザ・イニシアティブ」です。
ボードゲームと謎解きの融合といった感じで、箱をあけるとまずフルカラーのアメコミ風の冊子が目に付くと思います。
それもそのはずで、このゲームではプレイヤーはそのアメコミの登場人物の立場となってそれらキャラクター達とともにストーリーを勧めてゆきながら謎解きをクリアしてゆく事になるのです。
コミックによってストーリーが展開してゆく形は昔のゲームブックのように「〇〇ページへ進め」といった形で分岐する仕様になっているのですが、その分岐についてが謎解きに成功したかどうかによって変化してゆくわけです。
そしてその謎解きの部分がボードゲームとして展開します。
多数のドアで区切られた迷路のようなマップが描かれたメインボードの所定の位置に各プレイヤーが担当するキャラクター駒を配置して、手番がくるたびに手札のカードをプレイして移動したり証拠集めをしたり、証拠トークンを事前にチェックしたりといったアクションをします。
各シナリオの開始時にはシナリオ毎に用意されているシートを専用のスロットボードに入れておくのですが、証拠トークンの記号によってスロットボードの小窓が開けられて、小窓から見えるアルファベットをつなげてローマ字読みでキーワードが何かという謎解きにチャレンジする事になります。
設定されている手番回数の関係からすべての小窓を空ける事はほぼ不可能で、終了カードがめくれてしまっては答えを宣言するチャンスすら失なわれてしまうので、どこかでキーワードを推理してチャレンジしなければならない形になっており、プレイヤー達で相談してタイミングをはかります。
また、それとは別にコミックを読み進める過程で暗号によるキーワードへの謎解きもあって中盤から複数の暗号パターンを駆使する展開もあり、かなり楽しめるつくりになっています。
こうしたタイプのゲームは謎解き部分が全面に押し出されすぎてゲームはおまけ程度であってもなくてもよかったり、逆にゲームシステムに注力しすぎて謎解き部分はフレーバー程度になっているケースがほとんどだと思うのですが、この「ザ・イニシアティブ」はストーリーの展開と謎解き、ゲームとしてプレイする時の高揚感がかなり良いレベルでからみあっています。
謎解きの部分は時間をかければ解けるレベルだと思いますので、まず摘みになる事はないようになっていながらも、簡単な解けないように手間暇がかかるような形になっていたりなど、かなり丁寧にバランスに注意しながらデザインされていると感じました。
もともと謎解きゲームはそれに特化した作品がいくつも出ていますしシリーズ化している作品もあります。
そうした本格的なものも素晴らしいのですが、この「ザ・イニシアティブ」は協力ゲームというゲームプレイ部分にしっかりスポットがあてられていて、そうしながら謎解きをしているバランスが無理のないレベルになっているのは高く評価出来るのではないかと思います。
メインボードを利用したゲーム部分の一回のプレイはおおむね30分くらいで終わる時間的バランスも良好で、全部で14話分のチェックリストをこなしていくのですが、3話分くらい進めると2時間半くらい、1回のプレイとしては十分な時間だと思いますし、それから先は後日という事で何度かプレイヤーが集まって楽しむ使用になっています。
メインボードを利用したゲームパートではプレイヤーは手札4枚の中から2枚までプレイ出来、プレイ出来るエリアとしては「移動」「自身の駒がいる部屋の証拠トークン獲得」「ボード上の好きな証拠トークンのいずれかを表向きにする」「以上3つのエリアのうち1カ所のカードすべてを捨て札にする」という4つのエリアになります。
各エリアにはカードをプレイする時にはすでにそのエリアにプレイしてあるカードの上に重ねるようにして表にして配置するのですが、必ず前のカードよりも大きい数字しかプレイ出来ません。
カードは3色各1~12までが各1枚づつの為、いずれカードはプレイ出来なくなるので「1カ所のカードすべてを捨て札にする」というエリアをいかにうまくプレイするかも大切です。
証拠トークンは裏向きにしてランダムにシナリオによって指示された部屋に所定の数積んでおき、それを表にする事で記号が特定されて、その記号の部分のカードスロットの小窓を開いてアルファベットを確認します。
証拠トークンの中には罠もいくつも混じっていて、基本的に「ボード上の好きな証拠トークンのいずれかを表向きにする」という行為によって表にされたなら発動する為、「証拠トークンの獲得」で発動するものはペナルティを受けますが致命傷にはなりにくいものになっています。
それなら「表向きにする」アクションは選ばなければ良いのですが、所定の手番数で謎解きに成功するにはどうしてもせざる得ない場合も出てきます。
各プレイヤーは手札をプレイしたならば山札から手札が4枚になるようにカードを補充しなければならないのですが、山札がなくなったら時間切れカード4枚を入れて捨て札をよくまぜて再び山札とします。
時間切れカードの時計マークが3個めくれてしまうとその瞬間に敗北となって、その時になって記―ワ―ドを宣言する事は出来ないので、1枚時間切れカードがめくれたならば絶対の自信がなくてもキーワードの宣言にチャレンジする必要が出てきます。
なぜなら、4枚の時間切れカードのうち1枚は時計マークが2つ描かれているからです。
ですので、時間切れカードは2枚でシナリオエンドになる可能が常に付きまとうわけです。
軽い謎解きをしながらゲームとストーリーを楽しむ事が出来る「ザ・イニシアティブ」はかなり没入感もあってその手のゲームが好きな方には本当におすすめのゲームです。
魔王の森でご用意しておりますので、是非プレイしてみて欲しいと思います。
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※ボードゲームについてはあくまでプレイ空間として営業しておりますのでボードゲームの販売はしておりません、販売についてはミニチュアゲームのみとなっておりますので、どうぞご了承下さい。