今日のテーブルゲームのある風景はファンタジー世界を背景にした協力ゲーム「ウニコルヌスの騎士たち」です。

　軍事帝国に電撃作戦で首都を攻略された公国の生き残りの姫様が反撃にうってでるなか、騎士団や旧公国領の商人や傭兵たち、さらには盗賊団や隠者達など様々なキャラクター達がその軍へと協力し、強力な帝国軍を突破して敵皇帝を打ち倒す事が目的の協力ゲームです。

　面白いのは中心人物である「姫」はNPCとなっていて、プレイヤーはその姫を守り敵皇帝までの軍を突破する仲間たちの役割である点です。

　姫率いる反乱軍にはせ参じたキャラクター達をプレイヤーがあやつるわけです。

　プレイヤーは１０人以上用意されている反乱軍側のキャラクターの１人を担当して（プレイヤー人数が少ない場合ひとりで複数のキャラクターを担当する場合があります）、そのキャラクター駒を所定の開始位置に配置します。

　花皿型のタイルをランダムに配置する事でマップをつくりだす仕様なのでプレイする度にマップは大きく変化すると思います。

　そして帝国軍再度の所定の位置に帝国軍の兵駒を配置するとともに、敵キャラクター駒も配置します。

　ゲームが始まったならプレイヤーサイドは各キャラクターが好きな順番で１回づつ手番を行うのですが、１回の手番では各キャラクターに設定されているアクションポイントを消費する形で「移動」「補給」「戦闘」「援助」を行います。

　アクションポイントは手番が終了すると残りポイントは放棄されてしまうので、可能であるなら使い切る方が良いでしょう。

　各キャラクターは敵皇帝に向かって基本的に一直線に移動してゆく姫駒が敵軍に打ち取られないように先回りして、敵軍の戦力を削いでいくのが基本的な立ち回りとなると思いますが、敵キャラクター達も独自の行動パターンがあり、場合によっては囮になったり、突進してくる敵に対する盾となったりなど臨機応変な対応が求められます。

　そして敵と遭遇する為に宿縁がランダムに設定され、個人的にはこの「宿縁」こそがこのゲームで一番面白いとすら思ってしまいます。

　宿縁はその敵キャラクターがどんな人物かやどのような動機で戦っているのかなどの設定と物語とともにそれをゲームに落とし込む処理方法が記載されていて、単純に「駒を排除する」のではなく

ストーリーが生まれ、まるで小説のようなドラマチックな展開をイメージする楽しさを提供してくれます。

　戦闘は自分が率いている兵駒の数によって戦闘力が設定され、それにあわせてサイコロをふって、基本的には４以上を何個だせたかで戦闘結果が分岐します。

　敵軍の兵駒の数によってHPが決まってきて、敵軍を一撃で打ち倒すのは中々難しいものがあります。

　さらにマップ上の地形によって防御効果などもあり、敵軍をおびき出したり挟撃したりといった作戦が必要になる場合も多々ある事でしょう。

　倒した敵キャラクターは多くの場合に味方になってくれて、その辺りの展開は週間少年ジャンプの漫画でよくある展開を彷彿させて、そうした物語性を楽しむ事か出来るプレイヤーさんたちでプレイすると盛り上がる事この上なしです。

　一応６人までプレイ出来るゲームなのですが、あきらかに４以下でプレイするゲームなのではないかと思います。

　プレイ時間も４人で２時間半くらいはかかるのですが、「え？もうこんな時間！？」というくらい夢中になれるもので、TRPG好きにはたまらない内容のゲームだと思います。

　処理自体はそれほど難しいゲームではないので、ファンタジー世界や冒険活劇といったものが好きならば是非プレイしてほしいゲームです。

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