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テーブルゲームのある風景「ヘゲモニア戦記」

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 今日のテーブルゲームのある風景は「ヘゲモニア戦記」です。
 このゲームはいわゆる同人ゲームなのですが、昨今の流れの通りゲームボードや駒など非常に良く出来ていて、プレイが市販製品なみに非常にしやすいものになっています。
 プレイヤーはヘゲモニア大陸で覇権をあらそう種族の長となって、自分の種族をヘゲモニア大陸の頂点へと導くべく、民を増やし、他の種族をしりぞけ、時には協力し、資源を集めて都市を建設してゆく事を目的とします。

 ゲームとしてはプレイヤー人数によって決められているゲームボードの使用可能範囲を確認し、資源カードを必要に応じて選択してからよくきって一つの山札にします。
 そして、自分が長となるべき種族をランダムに選択するのですが、その種族として用意されているのが人間、エルフなどファンタジー世界でお馴染みのものからスライムやドラゴンなどといった敵役ででてくるタイプのもの、さらにはエイリアンといったファンタジー戦記ではめったに登場しない種族まで様々に顔ぶれが用意されています。
 そして、決定された種族の行動内容シートを受け取り、同時に種族駒も受け取ります。
 この種族駒がかなりよく出来ていて、各種族の特徴をうまく表現した駒になっていますし、そもそもサイズもかなり違います(ドラゴンは普通に大きいです)。
 そして行動内容シート(いわゆるサマリーと呼ばれるものです)が非常によくまとまっていて、プレイヤーが自分の手番が来た時にとれる行動の内容が分かり易く確認出来ます。
 この行動内容シートの存在はこの「ヘゲモニア戦記」にとってはある意味もっとも大事で、通常のボードゲームとちがって、実は選択された種族によってとれる行動が違うのです。
 ですので、各プレイヤーは他のプレイヤーでは選択肢として存在しない行動をとったり、同じ行動をとったように見えてもその効果に大きな差が生じるようになっています。
 プレイヤーは自分の手番になったならプレイ人数に応じて資源カードを規定の枚数めくって、ゲームボードの各産出地域に分配して配置します。
 つまりゲームボード上の各エリアは専用の資源が割り当てられているわけです。
 その後にプレイヤーは行動をするのですが、基本的には自分の種族駒を動かして、ゲームボード上のエリアで必要と思う場所で過半数を超える人数になる事が目的となります。
 ゲームとしてはその一点に集約されていて、他の行動はすべてそれに付随する結果だったりそれを補助する行動だったりします。
 手番プレイヤーは自分の移動を終えたならば、その後にエリアの過半数の人数を確保出来たならば、そのエリアに配置されている資源を獲得する事が出来ます。
 資源とは手番開始時に山札からめくって配置した資源カードの事です。
 つまり、手番プレイヤーはどのエリアに資源カードが配置されたか確認してから移動出来るわけです。
 その上このゲームにおける移動とはゲームボード上の好きなエリアにいく事で、となりのエリア等に制限される事はありません。
 ここまで聞くとただただ手番プレイヤーが得をしてゆくだけのゲームのように聞こえるのですが、そこで「全種族やれる事が違う」点が非常に面白い効果を生んでいるのです。
 移動出来る人数が違い、種族駒の数が違い、種族駒1個あたりの人数カウントが違うといった形になっている上に、種族駒を増やす為のコスト、さらに種族駒がゲームボード上に出れる最大数も種族によってまったく違います。
 さらに移動とは、特定の条件はありますが、他のプレイヤーの種族駒を追い出す効果としても使用出来るのです。
 これらの要素が様々にからみあう事で手番プレイヤーであっても得がしにくかったり、手番プレイヤーではないのに得をしていたりといった歪みを生み出します。
 そして、さらにこのゲームでは資源カードを全てのプレイヤーは手番プレイヤーと「交渉」によって交換する事が出来ます。 
 「交渉」ですので申込みを断る事も出来ますし、まるで競りのように他のプレイヤーがもちかけた交渉をさらに有利にして自分がもちかける事も出来ます。
 そしてこの「交渉」を面白くしている要素が種族駒をおいたり、勝利条件である都市駒をゲームボード上に配置する為の「必要資源カードの種類と枚数」がやはり全種族異なっているのです。
 これによって双方が満足する取引が出来る時もあれば、特定の資源カードを独占する事で凶悪なボトルネックを生み出す事も出来ます。
 もちろんそんな事をすれば他の種族達からよってたかって邪魔されてしまうという当然のリスクもしっかり負わされる点が個人的に非常に評価しています(他の種族によってあちらこちらに追い出されてヒドイ目にあうでしょう)。
 資源を独占しても対してペナルティを受けないのであれば、それは「交渉」などではなく、一方的な「搾取」でしかなく、勝ってる方が気分よくて仕方ないでしょうが、やられている方が面白くもなんともありません。
 ゲームに慣れている同士ならそういった不公平は楽しめますし、そうならないように「事前になんとかするんだよ」という手順をふめますが、慣れてない同士や経験者と非経験者のプレイではゲームとして成立させるのは難しく、「経験者が上手く調整すれば」などという、対戦ゲームとして崩壊している発言になったりしてしまうリスクがあります。
 この「ヘゲモニア戦記」ではそもそも必要な資源が同一ではない、という歪みを初めからつくってある事で、見事にそういった者に対する解答を用意してあるのは、システムとして個人的には非常に美しいと感じました。
 こうして資源の獲得ややり取りをしてゆき、最終的に規定の都市数を一番最初に建設したプレイヤーが勝利となります。
 
 陣取りをしていれば良いように見えて、実は外交(交渉)を上手にしていったプレイヤーが盤面を有利にしてゆけるようになっている非常に面白いゲームですので、4人くらいの人数で是非プレイしてみて欲しいと思います。
 
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