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未定

 ウォーハンマーに興味はあるけれど、難しそうだし手間もかかるとネットで言われているから、との言葉を頂く事があり、そんなハズはない!という気持ちになる事が結構あります。
 依然「ウォーハンマー、ペイントなんて怖くない(笑)」で紹介したのですが、ウォーハンマーを始める手間なんて本当にささいなものです。
 
 そりゃもちろん、ネットを探せばとてもではないですが真似出来そうにない華麗に塗られた(ペイントされた言われます)モデル達がこれでもかとばかりに見つかりますし、対戦レポートなどでも、戦場にズラリとならんだ美しい作品ともいえそうなユニット達に驚くと同時に圧倒されてしまうかもしれません。
 また、いくつかの大会などでは「フルペイント前提」「3色以上必須」などとうたっている場合もあり、すごく大変な印象をもってしまう事も止む得ないと思います(実際、私もそうでしたから)。

 でも、これから始めるにあたって、そんなに怖がる必要もないですし、肩肘はる必要もないはずです。
 ウォーハンマーはシュミレーションゲームであり、プレイ仲間と楽しくプレイしてこそのコミュニケーションを主体としたテーブルゲームです。
 少なくとも「魔王の森」では、仲間と楽しくプレイする事が最優先であり、華麗なペイントを強制したり、効率重視の勝つ為だけの味気ないプレイを強要する事はまずありません。
 もちろん、美しくペイントされたモデルは賞賛されますし、強いアーミーについて侃侃諤諤と意見を戦わせる事もありますが、それを初心者に強要したり、まして強制する事など絶対にありません(質問されれば、喜んで丁寧にお答えしますが(笑))。
 もっともっとウォーハンマーという素晴らしい娯楽を、多くの方に知ってもらい、ともに楽しんでほしいという気持ちの方が圧倒的に強いのです。

 そんなわけで、あまりに堅苦しい、難しい、お金がかかるという誤解をといておきたいと思います。

 まずは実際に見ていただくのが一番で、「そもそもウォーハンマーの商品買うとどうなってるの?」というのがプレイした事のない方の率直な意見でしょう。

 通常のウォーハンマーの商品はプラモデルのキットなので、箱をあけるとこういったものが出てきます。






 特に何もかわったことのないプラモデルで拍子抜けするかもしれないです。
 逆に人によっては、これをみた途端、「こんなものからあんな綺麗なモデルつくるなんて絶対無理」とショックを受けてしまったという話も聞きましたが、いえいえ大丈夫です。
 例えばゴルフをやってみようという方が、いきなりマスターズの選手と自分を比べるでしょうか?
 イラストを書こうとする方がいきなりプロと同等のものが書けますでしょうか?
 チェスに興味をもった方が、いきなりグランドマスターと自分を比較するでしょうか?
 いってみればそういう比較をしてしまっているだけですので、何も恐れる事はありません。
 ウォーハンマーに興味がでて、プレイしてみたいな、と思ってくださったのですから、まずは気楽に、そして大いに楽しむ事から始めれば良いのです。






 というわけで、なんの変哲も無いニッパーでランナーから切り出して、ちょっとデコになった部分にヤスリをかけてフラットにしてあげれば十分です。
 
 そして、仮組みをまずはしてみて下さい。






 ウォーハンマー40000の基本セットである「ダークヴェンジェンス」を購入された場合を想定して話をすすめていますので、写真に写っているのは、沢山入っているユニットの中の「チョーズン」と呼ばれる、悪魔に魂を売り渡してしまった邪悪な軍団「ケイオススペースマリーン」のエリート部隊です。
 基本セット以外を購入した場合、実はこの仮組みの段階で「どんな外見(装備)にするか?」を考慮しなくてはいけないのですが(何の話をしているかについては「ウォーハンマー40K、アーミーポイント1000ポイントへの道」で詳しく説明していますので、参照してみて下さい)、幸いにして「ダークヴェンジェンス」のモデルをつかっている限り、そういう悩みはありません。

 とはいえ、ちょっとしたサンプル事例と、私的な事情から、かるーく改造についてもふれておきたいと思います。






 この、ほとんど手術台の上の改造怪人のような状態になっているユニットは、そのまま作成した場合、ゲーム的な側面の話をすると「ライトニングクロー×2を装備」と呼ばれる状態になります。
 まったく個人的な事情なのですが、私は今回のサンプルにしている「チョーズン」ではそのライトニングクローという武器をこのユニットに持たせたくなくて、「パワーフィスト装備」にしたいと思っています。
 ウォーハンマーというゲームでは、ユニットはルールブックに従う形で様々な装備を持ち替える事が出来るのですが、その時に出来るだけ「その装備した姿のモデル」をつかう事が推奨されます。
 絶対のルールではないのですが、ペイントよりもユニット効率よりも、ゲームをする上ではむしろ最初に気をつかった方が良いのはこの部分ではないかな?と私は思います。
 基本的に初心者の頃は、どのモデルがどんな活躍をするのか良くわかりません。
 そして、そのモデルが装備している武器を効率的に使う事も非常に難しいといわざるえないでしょう。
 ですので、最初の頃から完璧を目指すのではなく、最初はお店の人や、サークルなどに顔を出してみて使いやすい組み合わせの装備を聞いて、それで作成してみて、あとは順次「今回は〇〇という装備を持っている事にしてください」で良いと思います。
 面白いと感じたなら、自然と装備に気を配って作るようになりますし、完成したものを後から改造するのもまたウォーハンマーならではだと思います。
 
 ちょっと話はそれますが、先日大学生の方に「大学生らしく色んな趣味をつまみぐいしてまわっています」と言われました。
 個人的にはまったく逆だとアドバイスしたいです。
 社会人になって時間がなくなれば、趣味をかるくちょっとだけつまみ食いして回るくらいしか出来ず、あとは1つに絞った趣味を仕事に支障がない程度にやるしかなくなります。
 しかし、大学生までの間ならば、2つ3つにまで絞った趣味を、深く深く楽しむ事が出来、時間を十分にかけて、プレイされている場所に日参しながら楽しみ、同好の士と思う存分会って楽しむ事ができます。
 こればっかりは社会人になってからは難しいと言わざる得ません。
 ネットなんぞに頼らなくても、遊びにいける時間を「作れる」学生のうちに、私は大いに時間をかけて楽しみを追求すれば良いと思いますし、学生のうちに適当に趣味を散らすのは、深く趣味を楽しむ機会を放棄して、無駄に時間を浪費してしまっている可能性が極めて高いと言えてしまうように思います。

 さて、それはそれとして、かりぐみをしてみて、どのパーツがどういう形でくっつくのかを確認したら、塗るときに支障が出ない場所はさっさと接着してしまいましょう。
 支障が出ない場所とは、2つのパーツが接近しすぎて、筆が入らなくなってしまうような場所で、そこはペイントしてから接着した方が無難です。
 ただ、何も組み立てていない状態からペイントしていくのは、初心者ではイメージがわきづらく、完成した時の配色が微妙になってしまう可能性がある為、ある程度組み立てて、形を確認してからペイントにはいるのが楽だと思います。






 これがざっと、かりぐみして必要な部分を接着した状態です。
 接着剤はプラモデル用の普通の接着剤でよくて、おもちゃ屋さんでも200円から300円くらいで売っています。

 それが終わったら下地剤を塗布します。






 これが塗布した状態です。
 シタデルのサフェイサー・ブラックを使用しているのですが、まぁ、他のではダメだと言うつもりはありません。
 ただ、安いものを使うと、様々に細かくついているディテール部分(ようは装飾やデコボコの部分です)を埋めてしまい、結局ペイントした時に非常にかっこうがわるくなってしまい、そうならないモノを選ぶと、シタデルのサフェイサーと値段比較して、そんなに大幅に変わらないのも事実ではないかと思います。

 さぁ、それが終わったらいよいよペイントです。
 以前ここでの質問でもあったのですが「モデル以外にペイント代金が高くつくのに、それを言わないで投資額を説明するなんてどうかと思う」というお話を頂いた事があります。
 私は正直いって、モデル代以外はさほどかからないとずっと公言しているので、もしかしたら、非常に高額な投資を初心者に強いている場所があるのかもしれません。
 もちろん、そうした事を初心者に言う方には、それなりのちゃんとした理由があるのでしょうが、個人的な意見としては、初心者のうちは、いきなり高額の投資をペイント関連にしなくて良いと思っています。
 「そんな事、口だけだろう」と言う方もいたので、恥ずかしながら、私のペイント用具を紹介させて頂きます。






 まずはパレット代わりのアルミホイルと、筆を拭く為のキッチンペーパーを折りたたんだものです。
 これは大抵の家庭にあるでしょうし、なくても100円均一で売っています。
 そしてシタデルカラーをかき混ぜる為の爪楊枝と、プリンを食べた後の容器を綺麗にあらっただけの水入れです。
 爪楊枝はやはり100円均一にうっていて、1度買えばよっぽど沢山ペイントしても一年は楽にもちます。
 水入れについては、別にプリンでなくても、ゼリーでもヨーグルトでもかまいません(まぁ、そういう問題ではないですが(笑))。
 そして、筆についても100円均一で売っている四本セットのもので、水彩絵の具のコーナーに売っているもので十分です。

 シタデルカラーは水性で、絵の具のようなのりで匂いもほとんどなく(せいぜいポスカ程度です)、締め切った室内や、ご家族がいるご家庭で使用してもまったく問題ありません。
 ですので、筆についても、水彩絵の具で使うもので十分なのです。
 筆については高級なものをつかっても、初心者の頃はすぐに傷めてしまうので、100円均一のものを使用して、1つの商品ごとに買い換えるくらいの気持ちで使っていって良いと思います。
 
 というわけで、ペイント用品にかかったお金はせいぜい爪楊枝と筆代で200円、アルミホイルとキッチンペーパーを入れても400円、何としても高く見積もりたいなら、プリン代も加えて600円です。
 高いとは言えないでしょう。

 いやいや、シタデルカラーは値段が高いと聞いているし、いくつも買わなくてはいけないなら結局すごい金額になるじゃないか、と疑り深い方はいうかもしれません。
 でも、私は1色あれば十分だとおもっています。

 そんな訳で、とりあえず1色で塗るとこうなります。






 サンプルにしている「ダークヴェンジェンス」に入っているケイオスマリーンのチョーズンですが、ケイオスマリーンの設定として、4つの悪魔のいずれかに忠誠を誓っており、その悪魔によって特徴的な配色があるという設定があります。
 私がプレイしている悪魔の色が青白い色や紫などなので、今回は「ジーンスティーラーパープル」で塗ってみました。
 この配色については、特に絶対のルールはないのですか、背景設定には色々アイディアがちりばめられています。
 まぁ、言ってみれば「シャアザクは赤いよ」ってなものに近くて、別にシャア専用ザクを青く塗ろうが、緑に塗ろうが黒く塗ろうが個人の自由ですが、普通は赤く塗るよね、ってなものだと思って下さい。

 さて、取り合えず1色塗ってみただけで、雰囲気はぐっとよくなったと思いませんか?
 初心者の方が使うなら、正直これだけで十分です。
 自分のアーミーを集めるだけでも大変なのですから、ペイントに予算はかけづらいでしょうし、ひとまず1色を自分の全アーミーに塗ってあげるだけで、一気に「自分だけのアーミー」感が出て、プレイしていても楽しくなってくると思います。

 そして、もう少し頑張ってみようかな?と思ったなら、あと数色の色をそろえてあげるだけで十分です。
 お勧めしたいのは、自分のアーミーの色と決めた色系のシタデルカラーのシェイドシリーズです。






 先ほどの状態から、シェイドの「ドリッチバイオレット」をばしゃばしゃと無遠慮にぬった状態がこれで、陰影が強くついて、なんだかペイントした感が一気に出てきます。
 
 さて、ついでに銃器だけでも色をつけて見ましょう。
 




 
 ここでは銃器や鎖の部分に「ボルトガンメタル(新カラーでは「リードベルチャーです)」をぬってみました。
 細い筆で丁寧にぬってあげるだけです。
 多少荒くぬっても、下地剤が黒ですので、勝手に陰影がついて格好よく塗れてしまうのがみそです(笑)。

 ここまで塗ったならもう十分でしょう。
 どうどうとペイント済みの自分だけのオリジナルユニットとして戦場を駆けさせてあげてください。
 自分のテーマカラーで統一されたアーミーを使ってプレイすると、気持ちの入りようも違いますし、愛着もかなり出てきます。

 何度も遊んでみると、活躍してくれたユニット達に、もう少しだけ丁寧に塗ってあげたくなるかもしれません。
 無理する事なく、ゆっくりと楽しみを深めていけばいいだけで、テレビゲームだってハードを買ったらソフトを全部かったりはしませんでしょう?ネットゲームだってある程度プレイしてみて、自分が楽しくなってきから課金を増やしてゆくのが常でしよう。
 ウォーハンマーだって同じで、毎月5000円程度で十分遊んでいけるので、今月はユニットをあきらめてカラーを揃えてみるかと思えば、5000円で10種類も買えてしまうし、正直そんなにはいりません。
 1色づつ購入していけばそれでいいはずです。

 では、徐々に塗っているカラーの数を増やしていくとどうなるかがこれです。






 本当はまったく同じモデルでやればいいのでしょうが、流石にそれはゆるして下さい(笑)。
 沢山の皆様が魔王の森でウォーハンマーを沢山購入して下されば、私も金銭に余裕が出来て、同じモデルで写真を撮れるようになると思うのですが、今はこれが精一杯です。
 左から徐々にカラーを増やしていて、一番左が足などに黒を入れた状態で、つぎが「アストロノミカングレイ(新カラーだとセレスティルグレイです)で布の部分を塗ってあります。
 その次の中央が「ローザンブルー」でコード類を塗ってから、「アストロノミカングレイ」と「ローザンブルー」で塗った場所をなぞるようにシェイドの「アシュメルンブルー(新カラーだとドラッケンホフナイトシェイドです)」を塗ることで色あいを深くして、陰影が出やすくしています。
 そして次のモデルでは「ドワーフブロンズ(新カラーではハスカトカッパーです)」で金色の部分を塗って目立つようにしていて、一気に派手になっています。
 ちなみに「金色」については「オーリックアーミーゴールド」「ゲヘンゴールド」もあるのですが、日本人の目では「ドワーフブロンズ」の方がより簡単に金色のイメージと合致しやすいようで、上記2つでは何重にも塗らないと「綺麗な金」のイメージになりづらいように感じます。
 そして最後は「レッドゴア(新カラーではウィズダッカレッド)」でベースを赤く染め上げて完成です。

 正直に申し上げて、私はペイントが決して上手くありません。
 ですので今回の記事はペイントの上達方法ではなく(それに華麗なペイントについては有名なサイトがいくつもありますし、技術については多くの素晴らしき先人達がいらっしゃいます)、むしろペイントが難しい、上手にペイントしないといけないのが辛いという方に、「恐れることなかれ!」という気持ちで書いています。

 そんな私でも、シタデルカラーで頑張って塗ると、このくらいにはなります。






 決して上手くはないでしょうが、ゲームでプレイするなら十分です。
 1体をミスなく塗っている最中だから、ゲームは全部塗り終わってからしか出来ませんなどといってまったくプレイをしないで、「ウォーハンマーってあまり面白くないな」なんて言うくらいなら、1色だけでも塗って、どんどんプレイしていってほしいと切に願います。
 3色も塗ればもう十分過ぎるくらです。
 今回の私のモデルにしても、結局8色しか使用しておりません。
 それでもゲームを楽しむには十分にみえませんか?

 まずはウォーハンマーというゲームをプレイしてみて、大いに楽しんでください。
 そして軽く1色だけを塗ってみて、自分だけのアーミーという感覚を感じてみてください。
 そうして、ウォーハンマーを何度もプレイして、お店やサークルでプレイする友人が増えて、様々な楽しみを味わえるようになってきたら、今度は色を増やしてみて、ちょっとだけ格好よさを求めてみてはどうでしょうか。

 そして、さらにプレイしていって、沢山の楽しみをしったならば、そこで「上手に」ペイントする事の本当の喜びもわかりますし、道具にこだわり、技術にこだわる事に意味が出てくるはずです。
 そのときは、沢山の知り合いが出来ている頃でしょうから、その方々の誰かがきっと、素晴らしいペイント技術を貴方に教えてくれるはずです。

 ウォーハンマーは多くの仲間とプレイしてこその遊戯だと私は思っています。
 ですので、たった1体をどんなに綺麗にぬっても、1色でアーミーを塗ってプレイした方のユニットには価値として及ばないでしょう。
 何故なら、そのユニット達にはプレイする仲間との会話、その時間、そして思いいれ、そこからの可能性が沢山詰まっており、ただ綺麗に塗られただけのコマとはかけている情熱も内包された時間もまったくレベルの異なる位置にあがってしまっていからです。

 ウォーハンマーは言われているほど費用もかからないし、必要以上なものが求めらめる娯楽ではありません。
 恐れる必要はまったくないのです。
 ウォーハンマー40000は、シュミレーションゲームが好きな方なら絶対に面白いはずと、自信をもって私はおすすめしています。
 この素晴らしいホビーをもっと沢山の方に遊んで欲しいと願っているのです。
 是非、一緒に楽しもうではありませんか。
 最後にもう一度いいます。
 ウォーハンマー4ooooを始めるのなんて簡単なんです!