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放課後さいころ倶楽部「魔王の森版」その1。

 今回はいつもとちょっと趣を変えて漫画の話などをしたいと思っています。
 「放課後さいころ倶楽部」という漫画をご存じでしょうか?
 このブログを見ている方々ですと、読んでいる方または読んだ事がある方も結構いらっしゃるのではないかと思いますし、聞いた事がある方も含めると結構なパーセンテージになるのではないかと思います。
 一応さらっと内容を説明すると、女子高生3人を基本的な主人公にした学校や日常の生活をのんびりと描いた作品で、主人公グループの親族や同級生の男子学生、親族の友人なども登場したほのぼのライフといった内容なのですが、一番の特徴がストーリーの根幹にボードゲームを使用している所です。
 決してボードゲームの紹介漫画ではないのですが、ボードゲームを通じて話を進めたり、様々なボードゲームをプレイして「楽しんでいる」事を作品のテーマにされているように感じる漫画というわけです。
 ですのでボードゲームをまったく知らない方が読んで「ボードゲームって楽しそうだな」と思える雰囲気がしっかりあって、個人的にはすごく好感が持てる内容だったりします。
 この手の作品によくあるマニアックな展開や、ボードゲームを良く知っている方が楽しめる展開に無理にしようとしないで、ゲームの紹介的な部分も正確にきっちりとなどではなく、さらっと流している程度なので、ボードゲームに興味がない方が読んでも普通に読めるのが丁度良いのではないかと私は思っています。

 さて、そんな「放課後さいころ倶楽部」ですが、登場するボードゲームが作者さんの趣味なのか、何か恣意的な意図があるのか(笑)、案外手に入りにくかったり(絶版ものや価格が高いものだったり)するのもあります。
 もちろんゲーム内容やゲームの背景が漫画の内容と合致しやすい、または描きやすいものをチョイスしているのだろうとは思います。
 そこで、「魔王の森」で同じようなシチュエーションだったらどんなゲームを提供したり、選ばれたりするのだろう?と考えてしまいました(笑)。
 そんな訳で、もしも「魔王の森」であったならこの時にはこのゲームを楽しんでもらえるのではないかなというものを紹介したいと思います。

・第3話ではパフューム
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 主人公の2人がボードゲームショップで初めてボードゲームに接する話で、作品では「マラケシュ」が登場しています。
 初めてのプレイで、ボードを利用したゲームで、女性がプレイしてダイス振るといった行為(楽しみ)があり、運によるドキドキした展開があるという条件でありながら、ちゃんと効率を考えたりある程度の計画性があるボードゲームという事で「パフューム」を選びました。
 香水をつくる調香師となって、貴族の方々に好みの香水を届けるゲームで、華やかで優しい色合いのボードや香水瓶のコマやタイルを香水瓶に見立てて組み立てていくといった楽しみがありますし、ダイスを振って判定を各自がするのでそういったアクション要素もあります。
 さらに言えば個人的にはその先の発展性があった方が楽しいのではないかと思うので、「パフューム」を気に入ってくれて、さらにゲームを楽しみたいと思ってくれたなら、ゲーム内容はかなり似ていながら運の要素を下げた「フレスコ」を紹介しやすいという部分がお勧めする理由だったりします。
 同じようなルールでこんなにも展開が違ってくるのだという部分、一緒にプレイしているプレイヤーさんの思惑を意識しなくてはいけないし、一緒に楽しんでいるのだと思って欲しいからという気持ちが強いです。
 あ、あと比較的新しいゲームっていうのも理由の一つです。

・第5話:ペンギンパーティ
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 学校の中で男子生徒も巻き込んでプレイする事になる話に登場したのが「ごきぶりポーカー」でした。
 自分の思惑をいかに隠して、相手の予想を出来るだけ外すといった、ボードゲームの要素の一つである確率ではなく駆け引きの部分を大切するゲームとしたら「ペンギンパーティ」を選択しました。
 というのも「ごきぶりポーカー」は何度か「魔王の森」でもプレイされたのですが、何度かマイナスを受けたプレイヤーを集中狙いという事態になってパーティゲームというのとはちょっと違う激しい狩りのような状態になってしまったのと、システム的にそれが容易に起きてしまうようなので、「狙いやすい人が損をしやすい」ということがおきにくい、というかちょっと出来ないゲームとして「ペンギンパーティ」をチョイスしました。
 ルールは至極簡単ですし、こんな事でゲームになるの?というほどですが、プレイしてみるといかに他のプレイヤーの思惑を外すか、または相乗りするかという可愛らしいペンギン達の絵柄と違って熱いプレイが繰り返される事請け合いで、プレイ時間も非常に短い為、何度もプレイする事が出来ると思います。
 他のプレイヤーを出し抜いた!と思った瞬間こそが自分の敗北の瞬間だったりして「うわー!それはないでしょう!」と思わず笑いながら言ってしまうゲームです。

第7話:キャメルアップ
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 主人公グループのご家族の方が登場して、やっぱり一度もプレイした事のない方が混じった上でプレイするゲームとして「ネコとネズミの大レース」が作品では登場しています。
 レース物として駒がどんどんボードを移動して、安全を買えば得点が少ないかもしれないし、無理をすれば得点が多いかもしれないといったバランスの中でどちらにより注力するかといった感覚の部分を楽しむ内容という事と特徴的なボードやコマ(コンポーネントと呼ばれたりします)のゲームという事で「キャメルアップ」を選びました。
 5色に色分けされたラクダ駒がボードを走るラクダレースがテーマになっていて、プレイヤーはどのラクダが一等賞になるのか、または最下位になるのかを予想するのですが、レースのスタートと同時に予想する事も出来るし、終盤のほとんど順位が確定してから予想する事も出来るルールになっているのです。 そして早く予想して当たるほど点数が高くなっている訳ですが、外れれば当然点数が失われてしまいますのでいつ予想をするのかも悩みどころです。
 そして、このゲームではラクダの移動もプレイヤーが担当して、なんとも愉快な形のダイス入れそのものを振ってダイスを振り出して、出てきたダイスには色がついているのでその色のラクダを出た出目だけ進ませるのです。
 レースを見ている楽しさと予想をいつするのかといった駆け引き、ダイスを振って進むラクダたちに一喜一憂しながら盛り上がれるゲームです。
 あと、この「キャメルアップ」は入手が簡単で、価格も比較的安い部類に入るのも推奨しやすい部分だったりします。

第9話:ハゲタカのえじき
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 いつものメンバーと言ってもよくなってきた主人公グルーブの女子高生3人といきつけのショップの店長という気心しれたメンバーでプレイするゲームとして登場するのが「ハゲタカのえじき」です。
 一緒にプレイする他のプレイヤーの思惑を外す事が大切なこのゲームでは、ある程度気心しれたメンバーの方がより深い「読み」を楽しめて、確率論を外した部分まで考慮出来るゲームになるケースが見られるというものなのですが、入手の手軽さ、プレイ時間の短さ、ボードゲームをやった事がない人でも楽しめる、ルールの簡便性、知っている人間同士の方が深いという要素を考えると「魔王の森」でも「ハゲタカのえじき」が選択されると思うので、ここは同じものになりました。
 このゲーム選択のテーマはあくまで「魔王の森バージョンがあったならこのゲームを提案する」なので、同じゲームを選ぶ場合も当然あります(無理に違うゲームにする気が私に全然ないんです(笑)、個人的に「放課後さいころ倶楽部」という漫画のファンでもありますし)。

第10話:ブラッドバウンド
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 おそらくは主人公たちのいきつけのショップのゲーム会であろうシチュエーションでプレイされていて、ボードもダイスも特別なルールもなく、他のプレイヤーの嘘を見抜くだけの遊びとして登場するのが「ミラーズホロウの人狼」でした。
 テレビ番組にもなりましたし、ゲーム会でのゲームとネット上でのゲームがあまりにも違う内容になる事から深くプレイされている方々の間では軽い論争まであったネームバリューがある作品なので、「人狼」というゲームがチョイスされるのは作品的に当然なのかもしれないのですが、グループの中から一人づつ吊し上げにしてゲームの場から除外するシステムというのには抵抗がある方もいますし、何よりも明確なルールがない事から単に目立ってしゃべるから(場を盛り上げたいだけかもしれない)や黙っているから(初めてで何をしていいのか分からないだけかもしれない)という事で意味もなく除外されるというのは私個人の経験上「楽しい」のとはやや違う部分が起きやすいので、まったく同じように隠された正体を推理によって当てていくゲームとして「ブラッドバウンド」をお勧めしたいです。
 「ブラッドバウンド」ではチーム戦になって、敵も味方も分からない所からスタートして、敵陣営のリーダーを倒したら勝ち、それ以外の者を倒してしまったら負けというルールになっています。
 さらに推理の為に各プレイヤー4回までの攻撃に耐える事が出来るのですが、攻撃される度に自分の「正体の欠片」をオープンにしなければならない為、終盤は両チーム同士が相談してどのメンバーが敵チームのリーダーかを推理していくといったまとまりがありますし、活発に会話がなされる上推理の証拠は目の前に提示されている為に参加している誰もが会話に参加し自分の推論や気づいた点を言葉にする事が出来ます(経験者がしきる必要も初心者が仕切られる事も起こりにくくなります)。
 同時にこのルールは初対面同士がチームになって、それがボードゲームなどに不慣れであっても十分ゲームに参加出来るシステムが下地として用意されているという事にもなっています。
 そして、最初に誰かが倒された段階で勝敗が決するルールである為不用意に誰かを脱落させる行為はチームの敗北に直結する可能性すらあるわけです。
 何よりもこのゲームではプレイヤー達はバンバイアの血族という設定で、なかなかこった立場を楽しめるように作られていて、自分の身を挺して仲間を守る事も出来ますし、わざと敵を守るふりをして「かかったな!」などという展開に持ち込む事も出来るという柔軟さと会話を「楽しむ」要素があふれています。
 強いて問題点をあげるとすればプレイヤーが最低でも6人必要で8人くらいいた方がより楽しめるという人数制限の部分だと思います。
 とはいえ「人狼」も似たような人数制限があるので、そう考えるとやはり「魔王の森バージョン」としては「ブラッドバウンド」を推奨します。

 というわけで、今回は「放課後さいころ倶楽部」という漫画をリスペクトさせて頂いた記事というちょっと変わった切り口にしてみました。
 興味をもって頂けたなら「放課後さいころ倶楽部」は現在6巻まで販売しており、雑誌でも連載中ですので読んでみられてはいかがでしょうか。
 今回のゲーム達は全て第1巻に収録されていますので、読んでみると個人個人によって様々な違いがあるでしょうし、違う切り口が見つかってより深く楽しめるのではないかと思います。
 また機会をみて、「放課後サイコロ倶楽部・魔王の森版」その2などが出来たらと思っております!
 
 「魔王の森&テーブルゲーム倶楽部」は四日市の商店街の中にあってボードゲームサロンとして子供から大人まで誰もが交流出来る社交場としても営業しております。
 お一人様一日500円で、店内にある200タイトル以上のボードゲームをどれでも好きなだけ遊んで頂けます。
 ボードゲームに興味はあるけどプレイした事がない方でも、店員が丁寧にどのゲームでもルールや遊び方を説明しますし、グループでこられた場合には遊んでみたいゲームの雰囲気やニュアンスを言って頂ければ、どのゲームを遊んでみれば良いかといった相談も喜んでお受けいたしております。
 お一人でもグループでも、是非お気軽にボードゲームを楽しんでいってください!
 ※ボードゲームについてはあくまでボードゲームカフェとして営業しておりますので、魔王の森ではミニチュアゲーム以外の販売はしておりません、ご了承下さい。

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